ピアノの練習を毎日やっている中で、
(どうして短調の曲が覚えられないんだろう?)
というのが、長年の悩みです。
というのも、私のピアノは、
「楽譜」になるべく頼らずに
「頭の中のメロディからダイレクトに」演奏する
Play By Earと呼ばれるスタイルなので、
音感が命 なのです。
しかし、最近、短調苦手問題において
ブレイクスルーというか、やり方を変えたので、
その辺のことを記事にしてみます。
二つの流派が対立している短調ソルフェージュ界隈
耳コピーやPlay By Earのためになくてはならない音感。
音感を養う基本はソルフェージュです。
ソルフェージュは聴音とか楽典とか、広い範囲の音楽基礎教育なのですが、
ここでは特に「視唱」と呼ばれるテクニックを示します。
※「視唱」楽譜を見て音程やリズム等を正しく階名(ドレミ)で歌えるようになるための勉強
そして
短調(マイナースケール)の視唱には、
La-Based minor と Do-Based minor の2つの派閥が
「北斗神拳」と「南斗聖拳」のように存在していたのでした。
一介の音楽学徒のわたしは、さしたる理由もなく、
今までLa-Based minorの世界で生きて来たのです。
上記の例は Gナチュラルマイナースケール。
Bbメジャースケールの音階をそのまま使う方法がLa-Based minorです。
この方法(La-Based minor)に至るのに参考にしたブログが下記です。
「ずっしー」氏という有名な方のブログです。
記事の中で、ずっしー氏は
区別しなくて本当に問題ないのかと思うかもしれませんが、そもそも長調と短調は境目が曖昧なものなのです。
と述べています。
ずっしー氏の音感は、曲の中に「短調っぽいところ」「長調っぽいところ」があって、どこで分けたらいいかわからないと感じるのでしょう。
だから区別しなくてもいい。
そうおっしゃっているのですね。
たしかにそういう曲もたくさんあります。
たとえば「Fly Me To The Moon」がそうでしょう。
また、そういう「あいまいな」曲は、ずっしー氏のおっしゃる通り、
La-Based minorで歌う方が理にかなっていると言えます。
しかし、私はLa-Based minorでは「ソルフェージュの言葉」Do,Re,Mi、、、と
「音の感覚」がうまく結びつかなかったのです。
その理由が、やっとわかりました。
Do-Based minorとは何か、かんたんに説明しよう
まずはDo-Based minorの説明をサクッとします。
GマイナースケールをDo-Based minorで歌うと、こうなります。
長音階と比較して
第3音がMi(ミ)ではなくMe(メ)
第6音がLa(ラ)ではなくLe(レ)
第7音がTi(ティ)ではなく(テ)
まず、短音階は、視覚的に長音階の3,6,7番目が半音下がっているのですが、
それがパッと視覚的にわかりますね。
視覚的だけでなく、ソルフェージュの「言葉」的にもわかるのです。
半音下がるときは、元の音の子音はそのままで母音を「e」に変える。
例として
「Me」だったら「Mi」の半音下なんだなあ、ということが
直感的にわかる。
M(子音)はそのままで母音がiからeに変わっている。
わたしがこの方法を採用するに至ったのには、
短調ソルフェージュのあまりの進歩の遅さから、いろいろググりまして、
UNOジャズ.COM というサイトを見つけたのが大きいです。
このUNOジャズ.COMさんの記事を読むと
専門家の立場から明快な説明がされているので、
それを読めば事足りるのですが
この記事には
実際に自分で実践してみた感想を書きます。
Do-Based minorの方が歌いやすい、その理由が経験的にわかったので、
そこをシェアします。
わたしが「Do-Based minor」にソルフェージュの歌い方を変えた最大の理由。
「テンデンシー」それはすなわち「メロディあるある」
UNOジャズさんに詳しい説明がありますが、
メロディには「テンデンシー(Tendency)」というものがあるのですね。
日本語では「傾向」と訳される言葉ですが。
具体的に言うと
曲は最後はDo(ド)で終わるのが普通だよね。とか
長音階でTi(ティ)のあとはDo(ド)に解決することが多いよね。
のような「普通だよね」「ことが多いよね」
今風に言うと「あるある」ですね。
この「あるある」は
Do、Me、Sol が「安定した音」で
Re,Fa,Le,Te が「不安定な音」であることから、
不安定な音が安定した音に向かってゆくという
性質、というか、法則のようなものが
根底の理由になっているように思えます。
La-Based minorの欠点。
それは、このテンデンシーが直感的にわからないのですね。。。
La-Based minorでは一番安定した「主音」が「La(ラ)」ですので、
メジャーとマイナーでボス(主音)になる音が
Doだったり、Laだったり歌い方が変わるんですね。
これが歌いにくい原因になっているようなのです。(私の場合は)
主音はマイナーだろうがメジャーだろうが、いつもDo(ド)にしようよ。
それがDo-Based minorですので、歌う時の混乱がないのです。
UNOジャズさんは、そこを私のような未熟者にもわかるように説明されていて、
しかもソルフェージュのメソッドを持っていらっしゃる。
せめて書籍で教えを乞いたいのですが、、、悲しいことにタイ在住の身。
Kindle版を作ってくれないかなあ。
コードについても、このように捉えるべきでは?
メロディについては「移動ド ソルフェージュ」で
把握するってことでよいのですが、
コードは?
Gマイナーのダイアトニックコードスケールをこのように度数で把握するのは
ジャズの王道ですが、
その際も、Gmを「Ⅵm」ではなく「Im」と把握
そうすると、
例としてマイナーツーファイブ進行
「Am7b5-D7-Gm7」→
「Ⅱm7b5 Ⅴ7 Ⅰm」
のように、ローマ数字でも2,5,1になりますね。
この方が、コード進行の「機能(トニックマイナー、ドミナント、サブドミナントマイナー)」がハッキリするので、優れていると感じます。
しかし、最近思うのですが、、、コードの把握においても
ⅠⅡⅢⅣⅤⅥⅦ のかわりに
Do Re Mi Fa Sol La Ti をコードにも使ってしまう方が合理的なのでは?
と感じています。
Gマイナーで言うと、Do m(Gm) Me(Bb)みたいにね!
その方が、慣れるとやりやすいような気がしてねえ。。。
メロディが「ドレミ、、」でコードが「1,2,3」っていうのも
何か統一感がないんですよね。
脳のリソースを地味に食うような、効率の悪さを感じています。
というわけで、
今、私はかつて「La-Based minor」で覚えた楽曲を、
「Do Based minor」でソルフェージュしています。
苦手なので、けっこう大変です(;'∀')
もう声に出して歌っているので、家の人に不気味がられていますね。
次回の更新は4月26日(土)になります。
お読みいただきましてありがとうございました。